ジロウには小学生時代からの親友がいた
喧嘩が強いわけではないがちょっと普通と違う
大ヤンキーというよりは小ヤンキー的な親友
名前はカズヤ
通称カズ
小学校の時の思い出は夏休みの自由研究
宿題は最後の3日で終わらせるのがジロウ流
しかし、自由研究だけはワクワクしながら早々に取り組む
そんな小学生
当時、カズと共同の自由研究を立ち上げた
ジロウ
『なぁカズ
毎日アチイな
あっ
そうだ
もしかして車のボンネットの上で目玉焼き出来るんじゃね??』
カズ
『あー
、、、
あーーーー
それ面白い
よし、自由研究それにしようぜ
車のボンネットで目玉焼き葉焼けるのか!!』
そうして始まった自由研究
子ども二人が車の屋根に乗って生卵を割る
真っ二つに割れた生卵を興奮しながら落としてみる
車の屋根は水を弾く性質を持っている
0.2秒でつるッと滑り車のボンネット付近のどこにつながっているかわからないブラックホールへと吸い込まれて行く
やっべ
ふたりは一目散に駆け出した
やっべー
ジロウは心の中で思っていた
カズの家の車で実験してよかったと
人生リベンジャーズ -舎弟奴隷-
先輩からの指令
万引きにハマった中学二年生
この頃から先輩に目を付けられる
いつもと違う焦った表情でカズが話しかけてくる
『ジロウ、やっべーぞ
先輩から呼び出されてる』
喧嘩の弱い二人組がヤクザのような先輩に呼び出される
冷や汗をかきながら先輩のたまり場へと急ぐ
そこには
5人の先輩たちがいた
リーダー格のマサ先輩が口を開く
『おぅ
待ってたぜ♬
お前らに仕事頼みたいんだけど良いかな?』
話しを聞く雑魚ふたり
内容は万引きの依頼
これって仕事ですか??
ジロウは思うが口には出来ない
許される言葉は二文字しかなかった
『はい』
その日から先輩たちの奴隷となる
漫画だったら喧嘩でボコられてから舎弟になるのだろう
しかし現実は違った
覇王色の覇気だけで舎弟の契約は終わったのだ
一回目のミッション
汚い字で書かれた紙を渡される
万引きリストだった
俺はこれなー
あっ俺はこれ
先輩方は口々に言う
ナイキの靴にBZのCD、ゲームソフトにピアス、モデルガン
なんて無理難題を💦
とはならなかった
正直、怖いのは先輩だけである
当時は怖い先輩さえいなければイケイケの二人組
それがジロウとカズ
ただのお調子者だ
先輩のリストを受け取り翌日には学校に持っていった
ミッション完了だ
どこか誇らしいお調子者の二人組
先輩の奴隷になっているとは気が付かずにむしろ大きなバックを手に入れたと勘違いさえしていた
中学生にとって誰と繋がっているかは権力組織図に大きな意味を持つ
成り上がりを夢見た二人組
それが勘違いだと知るには2秒で十分だった
マサ先輩が口を開く
『おめーらマジですげーな
よし
次のミッション行ってみようか♬』
、、、
お調子者の二人は顔を見合わせてお互いの心を読み取った
俺らって
奴隷ですか!?
二回目のミッション
昨日の今日で他人様のために万引き
いくら当時のジロウが毎日万引きしてるからってちょっとハードルが高いものをねだってくるんだよなこいつら
次の日は先輩方も同伴してきた
一緒に街まで繰り出す
店に着くと先輩に言われる
あれ欲しい
その言葉を残すと先輩方は店の外へと行ってしまう
万引きから強盗へ
数店舗目のデパートで一人の先輩に言われる
あっ
あれ欲しい
ん??
え??
ジロウとカズは聞き返す??
これですか?
これはちょっとマジで、、、
先輩は言い残し出口へと向かう
ジロウとカズはお互いの顔で語り合う
マジか
先輩からの指令
それはブレスレット
ショーケースに入っているブレスレットだった
ちょっとオーバーに聞こえるかもしれないので補足しておくと厳重なショーケースではない
向こう側のガラスは開いている
何十万円もする代物でもない
数万円のブレスレッド
とは言え店員のいるカウンターショーケースから万引きなんて出来るわけがない
あれ欲しいじゃねーよマジで
捕まるぞこれ
犯罪じゃねーか
↑↑普通の万引きを犯罪だと認知していない
終った
進む道が見えない
先輩に怒られるのも嫌だ
万引きで捕まるのも嫌だ
カズと小声で話す
マジ
どうする??
カズは小声で返す
やるっきゃないっしょ
マジですか??
こんなの取れるのルパンしかいないじゃん
無理だろ
その瞬間
一瞬の瞬間
店員がふと後ろを向いた
あれ??
まだ心の準備ができてないんですけど
カズが言う
やるぞ
もう万引きですらない
軽くジャンプしてショーケースに腹を乗せ手を伸ばしブレスレットを掴んだカズ
よし
走るぞ
見られたかどうかなんてわからない
後ろを振り返るのがただただ怖かった
呼吸を忘れるくらいダッシュした
強盗犯の二人がデパートを出ても走るのをやめない
とにかく生還したい
奴隷からの開放を願う
先輩との待ち合わせの場所に行く
手にはキラキラと光るブレスレットを持っていた
そこで言う
これ
盗っていました
正直、もうこれで勘弁してください
もう万引きしたくないんです
先輩が冗談でシューケースの中のブレスレットをねだったのかはわからない
本当に盗って来るとは思っていなかったのかもしれない
先輩は少し驚いた表情を見せ
そして
優しかった
キラキラと光るブレスレットを見ながら言う
おめーらスゲーな
わかったわかった
とりあえずサンキューな
テンションが上がっていたのか普通に喜ばれ、普通に了承を貰う
やっと解放された
ジロウとカズ
強盗に手を染めた少年たちは興奮していた
奴隷からの開放
自分たちの手で掴み取ったぜ
その二日後
先輩たちからの呼び出しを受けるのであった
つづく
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